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シンガポールで子どもの歯列矯正はじめました|費用は?治療法は?【小児矯正体験談①】

小さいお子さんを連れてシンガポールに赴任・移住される方って多いですよね。
そんな時期にちょうど重なるのが、
子どもの歯の抜け変わり気になりだす歯並び問題

昔は永久歯が生え揃ってからの矯正が主流でしたが、
今は「乳歯と永久歯が混在している時期」に成長期を利用した矯正を行うことで、歯並びが自然と良くなる、あるいはその後の治療を楽にすることができるといわれています。

我が家がシンガポールに来た時、娘は6歳、息子が3歳。

娘は永久歯への生えかわりが始まり、これからの歯並びが気になり始めた時期だったので、シンガポールに来る前にまず日本で歯科矯正の相談に行き、どのような選択肢があるかなど詳しく教えてもらった上で、シンガポールに来て改めてローカルの先生に相談をして歯列矯正を始めました

シンガポールでお子さんの歯列矯正を検討されている方に向けて、シンガポールの小児歯列矯正って何をするの?費用はどのくらい?など、体験談をお話しします。

はじめに・・・子どもの矯正の基本知識

まず、シンガポールに来る前に日本の矯正歯科相談で伺った内容は、次の4つでした。

  1. 子どもの矯正は、「1期治療」と「2期治療」の2段階に分かれる
  2. 1期治療はあごの成長期を利用した矯正。あごと言っても、治療で広げるのは歯が生えている骨のみでそれもわずかなので、それが原因で顔の輪郭が大きくなることはない
  3. 上あごは、6~8歳前後が一番成長し10歳頃にほぼ大きさが確定してしまうことから(下あごの方が少し遅れて成長する)、1期治療をしたければ開始時期が重要
  4. 子どもの1期治療の選択肢として、近年マウスピース型矯正 インビザラインが使用可能。
ふむふむ。あごを広げるといっても、顔が大きくなることはないのね。

1期治療とは
乳歯と永久歯が生えている6歳~10歳前後の間に行う矯正歯科治療。成長期を利用し、永久歯がきちんと生えるように歯列・顎のバランスを整える治療。

2期治療とは
11~12歳前後以降に全ての乳歯が生えかわり、永久歯が揃ってから行う本格的な矯正歯科治療。主にワイヤーの矯正装置を用いて、永久歯の歯並び・かみ合わせを仕上げる治療。

基本的な内容なので、乳歯が抜けはじめた5歳後半~6歳前半で矯正相談に行かれる場合、同じような情報提供を受ける方もいると思います。

日本で相談に行った時は、まだ永久歯が生え始めたばかりで歯並びもそこまで気にならなかったものの、大きな永久歯が複数生えてくるとどんどんガタガタに・・・。

シンガポールに来てからレントゲン撮影をしたところ
「上下ともこれから生えてくる永久歯に十分なスペースがない」ということが分かり、いつもお世話になっている一般歯科の先生から矯正専門のローカルの先生を紹介していただいて、すぐに矯正を始めることにしました。

シンガポールで子どもの矯正をしたら!?

いざ、矯正を始めよう!となったとき、
まず疑問に思うのが「どのような装置を使って」、「1日あたりどのくらいの時間」、そしてそれを「どのくらいの期間続ける」のか、ではないでしょうか。

どのような装置を使う?

娘の治療において先生が選択したのは、
マウスピース型の矯正装置ではなく、「床矯正」と呼ばれる装置でした。

床矯正とは、あごを正しい大きさに広げることで、永久歯がきれいに並ぶスペースを作る治療のこと。

シンガポールでもインビザラインのできる矯正歯科は多いので、思わず『マウスピース型の矯正装置じゃないんですか?』と聞き返してしまいましたが、

  • インビザライン・ファーストでは、顎の成長促進など骨格的な改善がしにくいので、今の娘には床矯正の方が適している
  • インビザライン・ファーストは、1日20時間以上の装着が必要。この場合、学校に行っている時間も含め、食事と歯みがき以外は装着していなければならないという不便がある

ということを教えていただきました。

たしかに、床矯正は今の年齢に適した選択肢
今の娘に授業中もマウスピースをつけさせて、学校のランチの時に自分で取り外しの管理をさせるのは負担だなーと思っていたので、納得です。

私自身、中学生の時に「ワイヤー矯正」、大人になってから加齢に伴うズレを治すために「マウスピース矯正」を行っているので、娘についても床矯正だけで終わるとは考えておらず、ファーストステップとして今しかできない床矯正が効果的に働けばいいなと思っています。

床矯正の始め方は?

床矯正開始までの流れはこちら。
日本でもシンガポールでも大きな違いはないようです。

矯正のための事前相談

まず初めに、歯並びやかみ合わせ、虫歯の有無などをチェックし、矯正治療のタイミングや治療法について教えていただくところから始まります。娘の場合は、お世話になっている小児歯科の先生の紹介で矯正専門医のコンサルを受けました。

矯正のための検査

治療を開始する前に必ず行われるのが検査。上下のあごの骨全体のレントゲン撮影をすることで、あごの形や噛み合わせ、見えている歯だけでなく骨の中に埋まっていてこれから生えてくる永久歯の位置・数・状態、虫歯の有無と進行状況などを把握することができます。

矯正診断

検査結果を元に治療計画が作られます。矯正治療は長い期間をかけて行うものであり、本人の理解と努力、親の協力が不可欠。ローカルの専門医の場合、当然「英語」のやり取りになりますが、しっかり理解し納得して治療を始めたいものです。

歯の型取り

床矯正装置を作るための型取りを行います。歯型のトレーに粘土状の印象材を入れ、口腔内で固定。硬化するのを待って外します。
あれって、冷たい粘土を大量に口に中に入れられるので、結構「オエッ」って気持ち悪くなるんですよね。お子さんに強い嘔吐反射がでてしまった場合は、ゆっくり鼻呼吸するように日本語で声をかけてあげるのも有効。娘の場合はかなり辛そうだったので、先生が始終「足を少し上げて足首を回してね」と声をかけていました。
腹筋に力が入ると、脳の延髄が刺激されて嘔吐反射が抑えられるのだそう。

床矯正装置の装着

最後に、出来上がってきた床矯正装置を口の中に装着します。子どもが自分でも着脱できるようにはめ方・はずし方のコツを丁寧に指導いただきました。

床矯正装置の使用方法・治療の進め方は?

他にも以下の点について先生に伺いました。
参考までにご紹介します。

床矯正装置は日に何時間くらいつける必要がありますか?

「長ければ長いほど効果は出ますが、1日14時間を目安に、食事時間を除き、寝ている時間と学校から帰宅後の時間に装着してください」

床矯正はどのくらいの期間行いますか?

「1日の装着時間やこれからの成長にもよりますが、開始から1年半くらいが目安です。永久歯が生えそろった後、必要に応じて第2期治療を行います」

矯正歯科に通う頻度はどのくらいですか?

「月に1度通院し、経過をみせてください」

装置はどうやって広げていくのですか?

「装置の中央に拡大ネジが埋め込まれていますので、週に1回、毎週決められた曜日に拡大ネジにピンを刺して回転し、広げてください。これによって歯列を側方にゆっくり拡大することができ、歯を並べるスペースを作ります」

 

シンガポールではいくらかかる?

初期費用

娘の場合、初期費用として
税込みで合計1,819シンガポールドル(約152,000円)かかりました。

相談料 80シンガポールドル(約6,700円)
レントゲン費用 110シンガポールドル(約9,200円)
型取り費用 60シンガポールドル(約5,000円)
床矯正装置費用(上下) 1,400シンガポールドル(約11,700円)
装置調整費用 50シンガポールドル(約4,200円)

床矯正装置は成長と治療進行にあわせて装置を3~4回作り変えることが一般的なので、今後1年半続く毎月の診察料に加えて、上記のうちレントゲン・型取り・装置費用が3回かかるとすると・・・

娘の場合は総額50万円程度かかりそうです。

日本とシンガポールどっちがどれだけ高い?

日本で矯正をする場合、
ワイヤー矯正が80~100万円、マウスピース矯正が60~100万円、床矯正が30~50万円と言われているので、床矯正について言えばシンガポールで行う方が同じかやや高いのかな。ただ、床矯正の場合、総額は装置を何回作り変えるかによって大きく変わります。

英語の心配は?ローカルの矯正専門医との会話は大丈夫?

シンガポールで子どもの矯正を始めるときにもう一つ気になるのが・・・実は「英語」という方もいるんじゃないでしょうか。

日常会話は問題なくても、歯科系の専門用語だと分からないかも・・・うまく説明・質問できるかな・・・先生のシングリッシュが強くて聞き取れなかったらどうしよう・・・などあれこれ不安になりますよね。私はかなりドキドキでした。

幸い娘の場合、普段見てくださっている一般歯科の日本人の先生が虫歯や歯周病の有無、歯並び、咬み合わせ、顎の状態などの情報を矯正専門の先生に引き継いでくださったので、矯正開始時がとてもスムーズでした。

さらに矯正の先生の英語がとても聞き取りやすく、毎回分かりやすい英語で丁寧に説明してくださるので、質問もしやすく安心して通うことができています。

ほっ・・・コミュニケーションにストレスを感じなくてほんと良かった。

歯列矯正には患者側の理解と努力が不可欠なので、聞き取りやすい英語で分かりやすく説明してくれる先生に出会えてほんと良かったです。

さいごに・・・

今回は、シンガポールで始めた子どもの歯列矯正についてお伝えしました。

小児矯正の開始時期は、上の前歯2本と下の前歯4本が永久歯に生えかわったくらい(6歳~8歳)がベストと言われています。

生えかわりの順番的に、初めに重なりやガタツキが生じるのは前歯部だけなので、上あごの犬歯が生え(10~12歳頃)大人の歯並びが完成してしまう前にあごを広げることができれば、ひどい八重歯や重度の不正咬合を防ぐことができるそう。

小児矯正は時期を逃さずに治療を開始することが重要なので、「日本でやった方が安いから、いずれ帰国した時でいいよね」は危険。1年半後、小児矯正が終了した満開の笑顔でシンガポール生活を送れればいいなと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございます。また来てくださいね!
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