常夏の国シンガポールにも季節を感じるイベントがあります。その1つが「中秋節」。
シンガポールを代表する観光名所 「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」も、毎年、中秋節を挟む約3週間はすっかり秋の顔に。きらめくランタンとウサギの灯篭で飾られた会場に、子どもたちも大喜び。いつもとは違った楽しさに包まれています。
そんなガーデンズ・バイ・ザ・ベイの「ミッドオータムフェスティバル」を無料なのにオススメのエリアに絞ってご紹介します。
はじめに・・・中秋節とは
旧暦8月15日は中国の「中秋節」。国民の70%以上が中国にルーツを持つシンガポールでは、中秋節は大切な年中行事の1つです。
8月なのに秋?と思うかもしれませんが、旧暦では1年を4つに分け、1月-3月が春、4月-6月が夏、7月-9月が秋、10月-12月が冬。7月-9月の秋のちょうど真ん中にある8月の十五夜が「中秋」というわけです。
この頃の満月が1年で最も明るく、美しいとされ、月やウサギにまつわる伝説や物語が残されています。日本だけでなく、中国でも中秋は月とウサギなんですね。
中秋節は毎年変わる!?
旧暦で中秋節にあたる日は、2021年は9月21日、2022年は9月10日、2023年は9月29日、2024年は9月17日、2025年は10月6日、2026年は9月25日、2027年は9月15日、2028年は10月3日・・・と毎年異なります。
これは、旧暦が「月の満ち欠け」を基準とし、新月を1日として、月が満ちまた欠けて新月になるまでの29.5日を1ヶ月と数えていたことによります。
つまり、月の満ち欠けをもとに29.5日×12ヶ月=354日を1年とする旧暦と、地球が太陽の周りを一周する公転周期365日を1年とする現在の歴とではズレがあることから、中秋節は毎年変動するんですね。
中秋節に欠かせないものは?
中秋節に必ず食べるのが「月餅」。月餅は一家団欒の象徴とされ、家族が集まってランタンを灯し、月にお供え物をし、家族の円満と幸福を祈りながら月餅を味わいます。
シンガポールでは中秋節のだいたい1か月前くらいから、ホテルやお菓子屋さん、中華料理店の店頭に月餅が並び始めます。スターバックスでも月餅が売られているのには驚きました。
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイのMid-Autumn festival
Mid-Autumn festivalの会場の中から、「無料」で楽しめておすすめの3エリアをご紹介します。
Colonnade of Lights(無料)
1000個ものペーパーランタンで埋め尽くされた回廊。よく見ると全て手描きなんです。
とってもカラフル。いろんな文字や絵が描かれていて、作った人の思いが詰まったランタン。
みなさん思い思いに、子どもを肩車して写真を撮っていたり、家族で写真を撮っていたり、回廊じゅうがとても暖かい雰囲気に包まれていました。
Rabbits Trail(無料)
地元の方だけでもこの賑わい。ランタンで飾られたゴールデンガーデンまで、ウサギのトレイルを通っていきます。
全て中秋節にちなんだものを持ったウサギたち。少しずつポーズも違って可愛い。
Sky Lanterns(無料)
ウサギのトレイルを進んでいくと、暮れゆく空にランタンをまとったスーパーツリーが見えてきます。
漢字の「福」が書かれたランタンを放つ一組のウサギと、そのランタンが山の景色を背景にスーパーツリーを彩り昇っていくディスプレイ。
展示は周りに鹿や鶴、松の木もあしらわれていて、ツリーを囲む人々が祝福に満たされるようでした。
夜のスーパーツリーグローブ(Supertree Grove)
Mid-Autumn festivalを見終わる頃には、すっかり日も暮れて。
スーパーツリーが紫色に光り、その美しさが際立ちます。ずーっと眺めていたくなる美しさ。この景色をじかに見られるだけで、「シンガポールに住んでいて良かった」・・・とシンプルにそう思ってしまいます。
夜のガーデンズ・バイ・ザ・ベイの締めくくりは、音と光のショー「ガーデン・ラプソディ」
1日2回、夜7:45 と 8:45に行われる約15分間の感動的なショーを堪能してから家路につきました。これも無料。観光客はもちろんのこと、地元の方からも愛されているショーです。
さいごに・・・
無料エリアだけでもこんなに楽しめる「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」。大好きなところです。
中秋節の期間は、毎年新しい趣向で楽しませてくれるMid-Autumn festivalと夜景、そして音と光のナイトショーをセットで楽しむのがおすすめ。来年も訪れるのが楽しみです。