日本人学校にするかインター校にするか・・・いくつかのポイントから、日本人学校ではなくインター校に行かせよう! と決めた我が家ですが、
インター校にはポジティブな意見ばかりではなく、
- 学費が高い
- 日本語も英語も中途半端になる(母国語がおろそかになる)
- 将来日本に戻る場合、英語以外の科目が不利になる
などのデメリットがあると言われています。
それらをどのように考え、30以上あるシンガポールのインターナショナルスクールの中から何をポイントにどのように学校を選んだかについて、お話しします。
ポイント① 学費が払えるか
シンガポールのインター校の学費ってどのくらい?
インター校の最大の難点といえば、やはり「学費が高い」こと。
シンガポールのインター校の学費は、年間約250万円~350万円が中心です。
近年は、学費が年間約150万円という比較的抑えた価格で通うことができるローコストインターナショナルスクールと呼ばれる学校ができてきていますが、それでも安くはない!
日本で一番高いとされる慶應義塾幼稚舎の学費は年間約95万円なので、シンガポールでインターナショナルスクールに通わせる場合、慶應義塾幼稚舎の2倍以上の費用がかかる計算になります。
学校 | 年間学費 | 受入年齢 | エリア |
---|---|---|---|
Singapore American School | 約330万 | 2 to 18 | ノース |
Stamford American International School | 約310万 | 1 to 18 | セントラルノース |
Canadian International School | 約270万 | 2 to 18 | イースト/ ウェスト |
Overseas Family School | 約260万 | 2 to 18 | ノースイースト |
GEMS World Academy | 約260万 | 2 to 18 | ノース |
EtonHouse International School Broadrick | 約250万 | 2 to 12 | イースト |
EtonHouse International School Orchard | 約250万 | 2 to 12 | セントラル |
ISS International School | 約250万 | 4 to 18 | セントラル |
Dover Court International School | 約230万 | 3 to 18 | ウエスト |
One World International School | 約160万 | 3 to 18 | イースト/ ウエスト |
Global Indian International School |
約140万 | 3 to 18 | ノース |
Middleton International School | 約130万 | 4 to 15 | イースト |
さらに、こちらの表はあくまでも6歳児の場合の学費。
学校によっても異なりますが、基本的に年齢とともに学費は上がります。
加えて、学費以外にも当然、入学金、施設費、スクールバス代(これが高い!)、英語補習費用(これも高い!)などがあり、翌年以降もこの学費に少なくともプラス50万円はかかることを覚悟する必要があります。それが2人分となると相当な金額。うちは姉弟2人なので「×2」になります(泣)
さらに、「海外赴任」ではない我が家には、会社からの補助はありません。
そのため、まず初めに、学費が極めて高い学校はカリキュラムの良さに関わらず選択肢から外しました。さらに、ずーっとインター校にこだわらなくても、金銭的に難しければ、数年後に日本人学校に編入してもいいし、いよいよ苦しければ帰国も考えようと思っています。
日本人学校だったらいくらかかる?
日本人学校だったらもっと安いのでは?と思う方もいるのではないでしょうか。私も調べる前まではそう思っていました。
でも、シンガポールの日本人学校は「私立」。
そのため、日本人学校を選択した場合でも、公立校のようにわずかで済むことはなく、初年度は編入学時一時金として約30万円、授業料と施設費を合わせて年間約68万円、の合計約98万円+寄付金がかかります。(2021年度校納金一覧より)
また、シンガポール日本人学校に編入学するためには日本人会の会員になる必要があり、個人入会の場合、年間で合計1,860シンガポールドル(約15万円)かかります。(内訳:入会金S$1,000、デポジットS$200、月会費S$25と個人用施設協力金S$30)
つまり、インター校、日本人学校どちらを選んでも結構かかるんです。
ポイント② 英語補習プログラムの実施方法
英語が全く分からない6歳と3歳の子どもたちをインター校に入れるうえで重視したのが、「英語ゼロでも受け入れてくれること」そして「英語の補習プログラム(EAL/ESL)がどのような体制で行われているか」でした。
EAL/ESLとは、英語を母国語としない子どもを対象とした英語補習クラスのこと。ほとんどのインターナショナルスクールでは、英語力補強としてEAL(English as an Additional Language)またはESL(English as a Second Language)と呼ばれるクラスを設けています。
なぜこの重視したかというと、EAL/ESLを過度に期待しているのではなく、EAL/ESLの授業の実施方法が学校によって異なるため。
実施方法には大きく分けて2種類があります。
EAL/ESLクラスで学習した後(英語力に応じて異なりますが2年程度)メインのクラスに入る学校と、通常クラスにいながらEAL/ESLの時間はESLの授業を受ける学校です。
❶ EAL/ESLクラスからスタート
まずEAL/ESLに所属する形で、EAL/ESLクラスで過ごし、すべての教科をこのクラスで学ぶアプローチ。英語が初めての子どもにはなじみやすい反面、特定の国籍の子が固まり、英語や多様性に触れる機会を損なう側面も。
❷ 通常クラスにいながらEAL/ESLの時間はESLの授業を受ける
a)「英語」の時間だけ別クラス型
通常クラスで過ごすものの、「英語」の授業時間だけ、EAL/ESL生はレベルに合わせて別クラスとするもの
b)放課後または休み時間を使った補習型
通常クラスで授業を受け、放課後や休み時間にEAL/ESLの授業に参加するもの
最初は慣れない英語に戸惑い、苦しい思いもするかもしれませんが、 娘はまだ6歳なので、その環境にどっぷり入れてしまった方が、英語の習得は早いのではと思いました。
そして、EAL/ESLだけのクラスに2年間も入れられてしまった場合、メインのクラスで国際色豊かなお友達と肩を並べて授業をすることなく、もしかしたら日本人学校に移るかもしれないし、帰国することになるかも知れない。それだとせっかくインター校に入れた意味がありません。
そのため我が家は❷ 通常クラスにいながらEAL/ESLの時間はESLの授業を受けるタイプのインター校を選ぶことにしました。
さいごに・・・その他のチェック項目 まとめ
「学費」と「英語ゼロの子どもの受け入れ方法」を最も重視したものの、もちろん学校の場所や雰囲気、設備、カリキュラムなど様々な点から比較検討しました。
チェック項目
□ 学校方針、カリキュラム
□ 授業料、設備費、支払方法など
□ 出願方法、編入学試験の有無と内容
□ 英語補習の有無、実施方法、頻度や時間数など
□ 学校の場所、スクールバスのルート
□ どの学年に入れるか(学校によって年度の区切りが異なるため)
□ 学校の設備(校庭の広さや、運動・音楽関連施設、IT環境)
□ 学校の雰囲気や制服が子どもに合うかどうか
□ 食堂の有無・食堂の利用状況
□ クラブ活動の種類や内容
□ 生徒の国籍の内訳、日本人の割合
□ 日本語教員・職員の有無 ※ちなみに我が家では重視せず
シンガポールにはたくさんのインターナショナルスクールがあり、それぞれの学校に独自の特徴や魅力があります。
学童期の学校選びは、英語の上達だけでなく人格形成の基盤として重要であり、親にとっては大きな決断ですが、インター校の選択肢がこれだけ豊富なシンガポールですから、「合わなかったら転校する」というのが恥ずかしいことでもなんでもなく、比較的当たり前に行われているとも聞きます。
案外そのくらい親が気軽に構えていた方が、子どもは伸び伸びと学校生活を送れるのかも知れませんね。
海外赴任や移住でインター校を検討されている方の参考になれば幸いです。